更新日:2022.6.1
この記事でわかること
ポイント
愛玩動物飼養管理士2級の教本1巻第Ⅱ
編人と動物の関係学Ⅰの「第2章 動物観
・ペットとのかかわりの歴史」について
概要がわかります。
今回は動物に対する考え方、
「動物観」について勉強を
するよ。
動物観って住んでいる
場所によって違うの?
国や地域によって違って
くるね。動物に対するさ
まざまな考え方があるこ
とを知っておくことが大
切だね。
そうだね。
はじめに
この章では日本と海外の動物に対する考え
方や歴史を比較することで、考え方の多様
性を学びます。
動物観とは
動物に対する見方や考え方を「動物観」と
いいます。
動物観の違いが、さまざまな人と動物との
関係を基本的な部分で形作っています。
国や地域により、動物観は異なります。
環境の違いから動物観の違いを学びます。
世界の環境を「砂漠型」「牧場型」「モンス
ーン型」に分けます。
1.砂漠型
ポイント
- 厳しい自然状況
- アフリカやアラビア
- 自然を敵対するものと考える
2.牧場型
ポイント
- 豊かではないが、穏やかな自然
- ヨーロッパ
- 自然は支配できると考える
3.モンスーン型
ポイント
- 四季の変化、自然の恵みは豊か、
自然の脅威 - アジア
- 自然に対する受け身の考え方
日本の動物観
ポイント
- 仏教の影響を受けている
輪廻転生や不殺生の考え - 人と動物は連続性があり同格
- 情緒的、放任的な性格が強い
欧米の動物観
ポイント
- 自然は管理できる
- ユダヤ教やキリスト教の思想
この世のすべてのものは神が
人間のために作ったので自由
に利用してよい - 合理的、科学的、操作的な
性格が強い
動物に対する思想の変容
時期 | 人物 | 国 | 職業 | 思想 | 備考 |
紀元前 | アリストテレス | ギリシャ | 哲学者 | 人間の優位思想 | 動物には理性がない。 利用されるために存在する。 |
13世紀 | トマス・アクィナス | イタリア | 神学者 | 不完全なものは完全な もののために存在する | 動物は人のための資源である。 20世紀までこの考えがロー マ・カトリックの正式な見解 となった。 |
17世紀 | デカルト | フランス | 哲学者 数学者 | 動物は自動機械である | 動物は心や意識、感覚がない。 また、理性がないので痛みは 感じない。 |
18世紀 | ベンサム | イギリス | 哲学者 | 功利主義哲学 | 最大多数の最大幸福が社会の善。 そのためには動物も痛みを受け ないおうにしなければならない。 伝統的な人間優位の動物観の大き な転換点なった。 |
20世紀 | シュヴァイツァー | フランス | 医師 哲学者 神学者 | 生命への畏敬 | 生命そのものが神聖である。 ノーベル平和賞受賞。 |
おまけ
「小鳥カフェは鳥ブームの起爆剤?」という文が
ありました。セキセイインコ好きとしては、記事
に残しておきます。
この20年、鳥の飼育は減少傾向にあり、犬や猫
に大きく差を広げられていました。最近、小鳥カ
フェが世間の関心を呼び、飼育人口の低下に歯止
めがかかり、上昇傾向にあるようです。
私がセキセイインコを飼養するようになったのも、
ペットがほしいと思った時に住んでいた場所が犬
や猫の飼育を許可していなかったためです。
鳥などの小動物は飼ってもよかったので、現在に
至っています。結果的にセキセイインコが大好き
になれたのでよかったと思っています。
感想
住んでいる地域の自然や思想からくる考え方の
相違は動物に対してもあったと知ることができ
ました。
また、この章に限らず歴史を踏まえて解説され
ており非常に興味をそそられました。学生のこ
ろに耳にしていたアリストテレスやデカルトが
でてきたのも驚きです。
楽しく学習することができました。
私が書いている記事は、教本の学習内容のほんの
一部です。
この記事をみて、愛玩動物飼養管理士に興味を
持たれた方は公益社団法人日本愛玩動物協会の
ホームページもみていただければ幸いです。